今市地震の爪跡(6) 和泉沼

今回は日光市和泉の「和泉沼」を訪れた。この沼の存在を知る人は稀である。

今市地震
① 金澤山と室瀬地区 ②今市地方震災横死者供養塔 ③地震坂 ④和泉沼

④ 和泉沼

和泉沼は、今市地震で川が堰き止められたことによってできた沼である。

この周辺は現在も舗装されておらず車も通れない山道であるが、日光宇都宮道路が開通する以前、もっと言えば、クルマ社会になる以前、この辺りは和泉と山久保、松ノ木内をつなぐ道であり、庚申塔などもある。

今は訪れる人はなく、はっきり言ってここで人影を見ようものなら、悲鳴をあげてもと来た道を逃げ帰るくらいの寂しい道である。とはいえ、電気も通っていないこの山中に朽ちかけた家のようなものあり、沼で遊ぶ人に注意をうながす看板や手漕ぎの舟があるが、どれもこれも近年に人が触れた形跡は見当たらない。

周囲は地震により大きな地形変化があり、またここに立ち入る人がいないため、崖崩れ、地面の隆起のあと、そしてずだずだに裂けた大きな亀裂がほとんど当時のままで残っている。

同様の沼としては日光市野口に「野口沼」があるが、ここは背丈ほどの雑草が生い茂り、今は行く人もいない上に、近辺の方に「あんた行くなら沼に落ちないように気をつけて」と言われたので訪れていない。

和泉沼周辺のGPS履歴
和泉沼
非常に静かだが、水は流れている。
危ない!このへんで遊ぶのはやめましょう の看板。 もしここで遊ぶ子を見たら、僕は気絶する自信がある。
道端の庚申塔
道はこのように、散策には適していない。
山道
朽ちた建物。しかしここには電気や上下水道は通っていない。
行川までたどり着いた。対岸には建物があり、檻の中にはさるがいる。しかし行川を渡河できる場所はない。

続く。

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