東海道五十三次 Day00 「旅の始まり」

宿泊場所と移動距離

 宿泊場所を決めるのは大切なことである。
 昔々は宿場ごとに旅籠があったので、行けるところまで行ってそこに泊まればよかった。しかし現代では、「ホテルがある宿場のほうが圧倒的に少ない」のだ。無計画に「体力に余裕があるから一つ先の宿場まで行こう」などと考えると痛い目に遭う。
 例えばあなたが1日に30kmから40km歩こうとしても、いい塩梅の宿場町にホテルがあるとは限らない。日本橋を出立して保土ヶ谷宿に泊まろうとしてもホテルが無いので、その手前の神奈川宿か先の戸塚宿に泊まらざるを得ない。
 そしてホテルの予約だが、大抵のホテルは前日までキャンセルが無料となっている。なので、しっかり全日程分のホテルを確保しておけば泊まる場所が見つからずに焦らなくて済むし、もし何らかのトラブルがあった場合にもキャンセルすれば費用的被害はそれほど多くないだろう。
 さらに重要なことは、本や地図で調べた距離より必ずあなたは多く歩くことになるのだ。それも1割~2割程度。「今日の予定は33kmだ」と出発しても到着時のGPSは37kmくらいになってしまうだろう。旧東海道は今や裏道であるため、食事、コンビニ、トイレなどを求めて広い道に出なくてはならないことも多々あるし、単純に道を間違えたり、寄り道したい史跡などもあるからだ。その中でも史跡等はあれもこれもと寄り道するとかなりの時間のロスになる。僕は「観光は次回クルマで来れば良い」と割り切って、まずは目標地点に明るいうちに到着することを日々の第一目標とした。

お勧めの宿泊場所

 というわけで、僕が実際に宿泊した場所を挙げてみる。移動距離は一日30~40kmほどだ。
 日本橋を出発して、

  1. 神奈川
  2. 平塚
  3. 小田原(東海道から離れないとホテルがない)
  4. 三島
  5. 吉原(富士駅)
  6. 府中
  7. 島田
  8. 袋井
  9. 新居(1軒しかホテルがない)
  10. 吉田
  11. 岡崎
  12. 宮(熱田)
  13. 四日市
  14. 亀山
  15. 水口
  16. 草津
  17. 京都

 といった場所に宿を取った。

持ち物

 僕が出発したのは2月の半ばで、そこから伊勢神宮への寄り道を含め18日間家に戻らないことになる。
 具体的に何を持っていったのか、そして足りないと感じたもの、あるいは邪魔で宅急便でお繰り返したものも挙げてみよう。

ザックと服装

ザック OSPREY Kestrel 38
  • ザック OSPREY Kestrel38
    ザックはこの大きさでちょうど良かった。荷物をすべて詰めて重さは7kgになった
  • ポーチ
    ザックのショルダーハーネスにカラビナなどで付けておくと、スマホや地図をすぐに取り出せて便利。
  • 薄手のフリース コロンビア エッセンシャルハイクグリッドフリース
    この薄手のフリースは保温性はもちろん通気性も良いので歩いていても汗ばまずに済んだ。
  • ウインドブレーカー モンベル ウインドブレーカー
    風をシャットアウトする薄手のウインドシェル。雨具代わりにも。
  • ズボン ワークマン 冬用防寒ズボン 2本
    洗濯や汚れたときも考えて2本(履くものとザックにしまうもの)。
  • 靴下 メリノウール靴下 4足
    長時間歩くため、日々の行程の半分、約20km毎で靴下を変えると、アタる場所もずらせて靴擦れ防止になる。
  • 肌着(上) メリノウールの長袖薄手のシャツ2枚、運動用の半袖シャツ2枚
    ヒートテックは絶対に不可。汗を吸わないために冷えてしまう。
  • 下着 3枚
    下着のパンツは3枚で十分。洗えるしすぐ乾く。
  • ウォーキングシューズ(可能なら防水透湿性のもの)
    僕はasicsの「GEL-TRABUCO 13 GTX」を選択した。
    歩く道の9割以上はアスファルトで、不整地はそれほど歩かない。ただ、箱根や島田にある石畳や山道は滑るためトレランシューズを選んだのだ。これは大正解だった。
    また、雨の日の為に防水処理(ゴアテックス等の防水透湿のもの)されたものがあると良いが、長時間雨の中を歩くと上から降ってくる雨のせいで靴紐のところから浸水する。水たまりを歩く等の「下側の水」は安心なのだが。
  • 靴のインソール
    毎日何万歩も歩くため足のケアは非常に大切だ。3千円くらいのウォーキング用のインソールで、足底のアーチや踵を衝撃から守る工夫を。
  • ダウンジャケット
    ユニクロのウルトラライトダウンジャケットなど、小さくなるものが良いがたとえ小さくなってもリュックの中では場所を取る。気候にもよるが、僕は途中で宅急便で送り返してしまった。

 宿にはほぼ間違いなくコインランドリーがある。場所によって値段は違うが、洗濯は200円~300円、高いところで500円。乾燥は30分で100円。
 ただ洗濯物の量はそれほど多く出ないので、毎日洗濯乾燥するのは時間的、経済的にもったいない。2日に1回で十分だと思う。
 洗剤については後述する。

小物類

ちゃんと歩ける東海道五十三次
  • 「ちゃんと歩ける東海道五十三次 上下巻」とボールペン
    このガイドがないと旧街道がどこなのかわからないし、解説も勉強になる。何か感想を書き込むのはこの本にボールペンで書き込むのが一番素早く、見返したときもわかりやすい。
  • スマートフォンとアプリ
    スマホが必須なのはもちろんだが、お勧めのアプリとして「Googleマップ」「Geographica」をインストールしておきたい。Geographicaは地理院地図内に位置情報を表示してくれるソフトで、上記の「ちゃんと歩ける東海道~」は地理院地図で書かれているため、現在地、目標地点、曲がる角などを把握しやすい。
  • スマホ用充電ケーブル、タップ
    大抵のホテルにはコンセントしか無い。USBケーブルとコンセントを繋ぐタップは必須。
  • 小分けの衣料用洗剤(5つくらい)
    場所によっては洗剤が自動投入されるコインランドリーと、フロントで購入するところがある。10回洗濯すると考えると、ドラッグストアで売っている小分けの衣料用洗剤を5つくらい持っていくとよいだろう。
  • 常備薬
    胃薬、絆創膏など。ただし通り道のドラッグストアでも買える。
  • 爪切り
    3週間弱歩くので、爪は伸びる。フロントで借りることもできるが気持ち悪い。
  • 耳栓
    持ってはいたが、一度も使わなかった。これは人によるだろう。
  • フェイスタオル、ウェットティッシュ、ちり紙
    けっこう色んな場所で活躍する。足りなくなったら買えるので、余分にはいらない。
  • 折りたたみ傘、レインウェア
    僕はポンチョを持ったがこれは不可。ポンチョは脇の部分がゆったりしているため、ザックを背負う邪魔になる。上下に別れたカッパ(できれば防水透湿性のもの)を準備。
  • 風呂上がりに使うもの
    綿棒がホテルにあるかどうかは半々。湯上がりに顔につけるクリームは大抵は置かれていない。
  • 日焼け止め
    京都(西)に向かって歩くということは、昼過ぎからずっと正面に太陽があるということだ。一日8~9時間歩くと考えると日焼け止めは必須。
  • サングラス(可視光調光レンズが便利)
    紫外線や風、ホコリから目を守ってくれるため必須。これがあるのと無いのでは大違い。
  • 財布は2つに分ける
    キャッシュレス決済での支払いがほとんどのため、僕は現金は3万円持ったが1.7万円くらい余った。スマホでの支払いに加え、メイン財布にはクレジットカードと現金1万円、予備の財布にマイナンバーカード(保険証代わり)、銀行キャッシュカード、予備クレジットカード、現金2万円。予備の財布はザックの奥底にあり、ほとんど触る機会は無かった。
  • 硬式テニスボール
    40km歩いてチェックインする時にはお尻(大臀筋)や足底に違和感を感じることもある。そんな時に硬式テニスボールは筋膜リリースや足底筋膜のマッサージに大活躍する。
  • 割り箸
    ホテルや外で何かを食べる時に「あ!割り箸が無い!」と思うことは一度や二度ではない。割り箸は最低1膳くらいはあったほうが良いだろう。

その他の注意

 シューズは、僕は買ってから3ヶ月未満で履き潰してしまった。
 シューズが届いてから、本番さながらに20km~30kmを最低でも4~5回歩いてみることをお勧めするが、その練習と本番を合わせて僕は820km歩いたことになる。

靴底
「asics GEL-TRABUCO 13 GTX」 800km経過後と新品の差

さて荷造りと服装は準備万端だろうか。
いよいよ日本橋に向かおう。

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